用語集
B
BOD(-)
水の汚濁状況を表す有機汚濁指標の一つ。生物化学的酸素要求量のこと。水中の有機物は好気性微生物の作用を受けて除々に酸化、分解され、安定化していくが、この過程で消費される酸素量をBOD値という。この値が大きいほど、汚濁が著しいことを示す。
BOD除去率(-じょきょりつ)
流入排水中のBODのうち、処理装置等の中で除去された割合。次式で算出する。BOD除去率(%)=(流入BOD濃度-流出BOD濃度)/流入BOD濃度×100(濃度の単位:mg/狗淪)
BOD量(-りょう)
対象とする水の中に含まれるBODの総重量。次式で算出する
。BOD量(kg/日)=流入汚水量(㎥/日)×BOD濃度(mg/狗泱@ソ1000)
C
COD(-)
海域や湖沼の汚染の度合を示す指標。化学的酸素要求量のこと。水中の有機物等の汚濁物質が化学的に酸化する時に消費される酸素の量で表される。数値が高いほど水中の汚濁物質の量が多い。
D
DO(-)
水中に溶解している分子状の酸素。溶存酸素のこと。水中にDOのある状態を好気性、ない状態を嫌気性という。汚染中においては酸素を消費する物質、主として有機質の腐敗性物質が溶存酸素を消費する。したがって溶存酸素の多少は資料の汚染状態の一端を示すものということができる。
F
FRP(-)
ガラス繊維強化プラスチックの略称。工場生産型の浄化槽の大部分がこれを材料としている。FRP製浄化槽の利点としては、成型が容易、大量生産向き、軽量であるため運搬が容易、施工が容易等がある。欠点としては、集中した荷重に弱く、浄化槽の埋め戻し時や運搬時に一点に荷重が掛からないようにする必要がある。
P
pH(-)
溶液中の水素イオンの濃度を水素イオン濃度指数という。pH7で中性、pH<7で酸性、pH>7でアルカリ性である。特殊な例を除いて河川水などの表流水は中性付近の値を示す。
S
SS(-)
水中に浮遊する物質の量をいいます。水の濁りの原因となり、SSが大きくなると魚類に対する影響が現れる。
T
T-N(-)
有機性窒素化合物及び無機性窒素化合物に含有される窒素の総量。全窒素あるいは総窒素ともいう。富栄養化の原因物質の一つである。
T-P(-)
種々のリン化合物中に含有されるリンの全量。全リン、総リンともいう。富栄養化の原因物質の一つである。
い
維持管理(いじかんり)
浄化槽の装置や機器がもつ機能を十分に発揮させるため定期的に行う保守点検及び清掃の作業。
一次処理(いちじしょり)
浄化槽の一次処理装置としては、汚水中の浮遊物質の除去や貯留を行う沈殿分離槽や嫌気ろ床槽等がある。
お
汚泥移送装置(おでいいそうそうち)
汚泥を移送する際に用いる装置。
汚水衛生処理率(おすいえいせいしょりりつ)
全人口のうち、下水道、浄化槽等により生活雑排水も含めた生活排水が衛生処理されている人口の比率。
汚泥処理(おでいしょり)
汚水処理に伴って発生した汚泥に、濃縮、消化、脱水、乾燥、焼却等の処理を行うこと。汚泥処理の目的は、有機物質を無機化する質の安定化、病原微生物を死滅させる安全化、処分量を少なくする減量化である。
か
嵩上げ(かさあげ)
工場生産浄化槽において、流入管底が標準工事より深くなり、槽を深く埋める時に槽本体の開口部に立上げ枠を継ぎ足すこと。
型式認定(かたしきにんてい)
工場で製造される浄化槽についての国土交通大臣の認定制度。浄化槽の構造面の適正化、届出事務等の円滑化のため、浄化槽法第13条で規定されている。
浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)
し尿と台所、風呂、洗濯、洗面所などの生活雑排水を併せた生活排水を処理する浄化槽。単独処理浄化槽と比べて、はるかに処理能力が高く、BOD除去率90%以上、処理水BOD20mg/l以下と下水道の終末処理場と同等の放流水質に処理できる。近年は、窒素やリンも除去できる機能がついた高度処理型も開発されている。
環境基準(かんきょうきじゅん)
環境基本法により大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音の4項目について人の健康を保護し、生活環境を保全するために定められた環境上の基準。水質汚濁に係る項目としてはカドミウム、シアン、水銀等(人の健康保護)やpH、BOD、SS等(生活環境の保全)がある。
環境基本法(かんきょうきほんほう)
平成5年11月に公布・施行された環境保全に関する基本法。公害の種類を大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭の7項目に分けたうえで、それらを防止するための事業者、国、地方公共団体、国民の責務や環境基準等が定められている。
き
基礎(きそ)
上部構造物を安全に支持し、沈下、傾斜等を起こさないために設けるもの。上部構造物からの荷重を地盤または地業に伝えるための基礎スラブとそれより下に設けた敷き砂利、割ぐり石、または杭等の地業の総称。
逆洗(ぎゃくせん)
接触材、ろ材等の充填層内の目詰まりの原因となっている過剰な生物膜や夾雑物等を取り除く操作。
逆洗装置(ぎゃくせんそうち)
接触ばっ気槽等において、逆洗を行う装置。
け
下水道(げすいどう)
下水を排除するために設けられる排水管、排水渠その他の排水施設、これに接続して下水を処理するために設けられる処理施設(浄化槽を除く)、またはこれらの施設を保管するために設けられるポンプ施設、その他の施設の総称。
嫌気性処理(けんきせいしょり)
処理装置内に酸素がないような状態にし、嫌気性微生物(酸素がない状態で生育する微生物)を増殖させ汚水中の汚濁物質を分解する処理法。
嫌気ろ床槽(けんきろしょうそう)
嫌気ろ床(プラスチック等のろ材を充填して形成したろ床)を設けた槽。汚水中の固形物の分離等を目的としている。
こ
好気性処理(こうきせいしょり)
酸素が十分にある状態で好気性微生物(酸素がある状態で生育する微生物)の存在のもとに汚水を浄化する処理法。
公共水域(こうきょうすいいき)
河川、湖沼、港湾、沿岸海域、その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共水路をいい、地下水は含まれない。
高度処理(こうどしょり)
汚水処理において、従来の処理よりも高度な処理内容や処理レベルを可能とする操作。
高度処理型浄化槽(こうどしょりがたじょうかそう)
高度処理型浄化槽とは窒素またはリンの除去能力を有する浄化槽のこと。閉鎖性水域における生活排水による富栄養化防止対策に効果的。
小型浄化槽(こがたがっぺいしょりじょうかそう)
浄化槽のうち、処理対象人員が50人以下のもの。
国庫補助指針(こっこほじょししん)
国庫補助を行ううえで、その補助対象の運用方針を定めた指針。浄化槽については、より確実に所期の性能の発揮と維持管理の容易かつ確実な実施という観点から定められている。
さ
三次処理(さんじしょり)
排水処理において、処理の順序を表す用語で、一次処理(沈殿処理)及び二次処理(生物処理)に付加する処理をいう。
残留塩素(ざんりゅうえんそ)
水中に残留している有効塩素。浄化槽法に基づく浄化槽の水質検査では、比色法により検出されることが望ましいとされている。
し
浄化槽(じょうかそう)
便所と連結してし尿及びこれと併せて雑排水を処理し、下水道法第2条第6号に規定する終末処理場を有する公共下水道以外に放流するための設備又は施設であって、同法に規定する公共下水道及び流域下水道並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律第6条第1項の規定により定められた計画に従って市町村が設置したし尿処理施設以外のものをいう。
浄化槽汚泥(じょうかそうおでい)
浄化槽の清掃時に引き出される汚泥。
浄化槽管理士(じょうかそうかんりし)
浄化槽法に基づく国家資格を有し、浄化槽の保守点検の業務に従事する者。
浄化槽管理者(じょうかそうかんりしゃ)
浄化槽の所有者、占有者等で、浄化槽の管理についての権原を有する者。たとえば、各家庭に設置されている浄化槽の場合は世帯主がこれにあたる。
浄化槽工事(じょうかそうこうじ)
浄化槽を設置し、またはその構造若しくは規模の変更をする工事。
浄化槽清掃業者(じょうかそうせいそうぎょうしゃ)
市町村長の許可を受けて、浄化槽清掃業を営む者。
浄化槽製造業者(じょうかそうせいぞうぎょうしゃ)
国土交通大臣の認定を受けた型式の浄化槽を製造する事業を営む者。
浄化槽整備事業(じょうかそうせいびじぎょう)
浄化槽設置整備事業浄化槽市町村整備推進事業
浄化槽設備士(じょうかそうせつびし)
浄化槽工事を実地に監督するのに必要な浄化槽法に基づく国家資格を有する者。
浄化槽法(じょうかそうほう)
浄化槽によるし尿、生活雑排水の適正な処理を図り、これを通じて生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする法律。具体的には、浄化槽の製造、設置、保守点検及び清掃について規定し、工事業者の登録、清掃業の許可制度や浄化槽設備士及び管理士の資格等を定めた法律。
消毒槽(しょうどくそう)
水に塩素を接触させて消毒を行う槽。塩素剤として、次亜塩素酸カルシウム系や塩素化イソシアヌル酸系の錠剤が用いられる。
使用に関する準則(しようにかんするじゅんそく)
浄化槽を使用する者が浄化槽の機能を正常に維持するために遵守しなければならない事項。
処理対象人員(しょりたいしょうじんいん)
浄化槽の処理規模を表す指標の一つ。建築物から排出される生活排水の水量、水質から算定した汚濁負荷量を1人1日当たりの人口当量(ある排水が標準家庭下水の何人分に相当するかを示す値)に換算した人員。
処理対象人員算定基準(しょりたいしょうじんいんさんていきじゅん)
浄化槽の処理対象人員の算定に関わる基準。JISA3302(建築物の用途別によるし尿浄化槽の処理対象人員算定基準)に定められている。(例)住宅延べ面積A≦130㎡n=5人槽A<130㎡n=7人槽(n:人員(人)、A:延べ面積(㎡))
す
水質汚濁防止法(すいしつおだくぼうしほう)
環境基本法の理念を踏まえ、工場及び事業場の排水を規制し、生活排水対策の実施を推進することによって公共用水域及び地下水の汚濁防止を図り、また被害者の保護を図ることを目的としている。浄化槽では501人槽以上が特定施設とされているほか、水域によって201~500人槽がみなし特定施設に指定されている。
スカム(-)
嫌気ろ床槽や沈殿槽等の水面に浮上した固形物。
せ
生活環境項目(せいかつかんきょうこうもく)
生活環境項目は、生活環境に影響を及ぼす恐れのあるものとして定められた項目をいい、現在、pH(水素イオン濃度)、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、DO(溶存酸素量)、SS(浮遊物質量)、大腸菌群、n-ヘキサン抽出物質含有量、全窒素、全リンの9項目について定められている。
生活雑排水(せいかつざつはいすい)
生活排水のうち、し尿あるいは水洗便所排水を除くもので、台所、洗濯、風呂等から出る汚水。生活雑排水は、下水道や浄化槽に接続している家庭では、し尿とともに処理されるが、そのほかの家庭では未処理のまま流されており、河川等の公共用水域の大きな汚濁原因となっている。
生活排水(せいかつはいすい)
生活雑排水とし尿あるいは水洗便所排水を合わせたものをいう。
清掃(せいそう)
浄化槽内に生じた汚泥、スカム等の引出し、その引出した後の槽内の汚泥等の調整並びにこれらに伴う単位装置及び付属機器類の洗浄、掃除等を行う作業。
接触材(せっしょくざい)
接触ばっ気槽内に充填し、生物膜を付着させるための担体。
接触ばっ気槽(せっしょくばっきそう)
接触ばっ気法を用いた生物反応装置で、接触材、ばっ気装置、逆洗装置及び汚泥移送装置から構成されている。
そ
送風機(そうふうき)
酸素を供給する機械の総称。浄化槽ではブロワともいう。
た
単独処理浄化槽(たんどくしょりじょうかそう)
浄化槽のうち、水洗便所排水のみを処理するもの。
ち
沈殿槽(ちんでんそう)
汚水等を緩やかに流すことにより、水中に懸濁する固形物を沈殿分離し、上澄水を流出させる単位装置。
沈殿分離槽(ちんでんぶんりそう)
汚水中に含まれる浮遊物質や夾雑物を沈殿分離するとともに、分離された固形物及び生物処理工程から移送された汚泥を貯留する単位装置。
に
二次処理(にじしょり)
一次処理で除去できない微細なSSや溶解性有機物質を細菌を主体とする微生物による生物吸着・酸化作用により除去する処理工程。
の
農業集落排水事業(のうぎょうしゅうらくはいすいじぎょう)
農業振興地域の整備に関する法律に基づき指定される農業振興地域で行われる国庫補助による農業集落排水施設の整備事業。
は
排水基準(はいすいきじゅん)
水質汚濁防止法により定められた、全国一律に適用される放流水の水質基準。
ばっ気(ばっき)
接触ばっ気槽等で浄化に貢献する微生物群に必要な酸素を供給するための操作。他に、汚水と微生物が十分に接触するための撹拌の効果も有している。
ばっ気装置(ばっきそうち)
ばっ気するための装置。
ふ
富栄養化(ふえいようか)
窒素やリン等の栄養塩類(植物の生育を促進する成分)の流入により、海域や湖沼の植物プランクトンが多量に発生し、次第に水質汚濁が進行していく現象。
へ
閉鎖性水域(へいさせいすいいき)
内海、内湾、湖沼のこと。河川や外洋に比べて水の交換が悪く、富栄養化が生じ易い。
ほ
法定検査(ほうていけんさ)
浄化槽法において定められた水質に関する検査。法第7条に基づく浄化槽設置後の検査と法第11条に基づく維持管理検査が定められている。
保守点検(ほしゅてんけん)
浄化槽の点検、調整またはこれに伴う修理をする作業。具体的には、浄化槽の単位装置や付属機器類の作動状況、施設全体の運転状況及び放流水の水質等を調べ、異常や故障を早期に発見し、予防的措置を講じる作業である。
保守点検業者(ほしゅてんけんぎょうしゃ)
浄化槽の保守点検を業として行う者。浄化槽法において都道府県及び保健所設置市は、条例で登録を受けなければ浄化槽の保守点検を業としてはならないとする制度を設けることができるとされている。
ま
膜分離法(まくぶんりほう
膜を介して汚水中の物質を分離する処理方法。膜の種類として、平膜や中空糸膜などがある。
ら
流量調整装置(りゅうりょうちょうせいそうち)
浄化槽に流入する汚水または浄化槽内の単位装置間の移送水を、一定量ずつ移送する機能がついた装置。