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1.水質汚濁の現状

あなたの排水が大切な河川を汚しています。

水環境の悪化は、さまざまな形で起こります。
その昔、水質汚濁が公害として問題になり始めた頃は、工場から流される有害物質を含む排水が中心となって問題が起きていました。
その後、環境を守る法律によって、工場排水に対しては規制されるようになりました。
そして、水環境を悪化させる原因が、工場排水から家庭からの生活排水に移ってきました(図-1)。
現在の水環境問題は、これまでの工場による環境汚染と違って、私たち自身が汚染を引き起こす問題になりつつあるのです。
水質汚濁の原因の5~7割が、家庭からの生活排水であり、水をきれいにするには生活排水処理対策が必要です。
図-1 総量規制地域海域における発生源別汚濁負荷量(COD)の割合(平成11年度)
※COD:海水等の汚れ具合を計る一つの指標です。この値が大きいほど、海水が汚れていることを示します。

台所からの汚れた水が魚の住みかをおびやかします。

私たちの日常生活で、1人が1日に使う水の量は約200Lで浴槽1杯分にあたります(図-2)が、家庭からの汚染の原因となる排水は、1位が台所、2位は水洗トイレ、3位は洗濯や風呂などです(図-3)。
台所排水や、風呂、洗濯、水洗トイレなどで使った排水を「生活排水」といい、このうち水洗トイレからの排水を除くものを「生活雑排水」といいます。
図-2 私たちが1日に使う水
図-3 私たちが1日に出す汚れ
生活排水の中で、台所排水は全体の45%を占めており、主に油が汚濁の原因となっています。
下図は魚が住める水質(BOD5mg/L以下)にするために必要なきれいな水の量を示しています。
( )内は200Lの家庭用風呂おけに換算した場合です。
家族で使った油を100mL(コップ1杯分)捨てただけで、魚がすめるきれいな水にするために、20,000L(浴槽100杯分)の水を必要とするのです。
図-4 魚が住める水質にするために必要な水の量
※BOD:水の汚れ具合を表す指標の一つです。この値が大きいほど、汚れが著しいことを示します。
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